飛魚

中島裕翔くんのファンです

PLAYZONEは蜃気楼

PLAYZONE2010を見て、この世で一番PLAYZONEを愛してるのは錦織一清だったんだと思いました。
ねたばれありの感想です。


去年のPLAYZONEを見たとき、面白かったしかっこよかったし楽しかったのも本当なのですが、「もう『PLAYZONE』はどこにもないんだな」というのが実は一番強く思ったことでした。
PLAYZONEをキスマイがやると聞いたとき嫌で嫌でしょうがなくて、何が嫌だったかというと、キスマイが舞台をやるのは楽しみでも、その舞台に「PLAYZONE」という名前がついていたことがたまらなく嫌だったのです。


少年隊がやらないならPLAYZONEじゃないんだから、違う名前にして欲しいと強く思いました。2007年のPLAYZONEも、復帰する後輩のためにPLAYZONEの名前を利用されたようですごく嫌でした。
それでもPLAYZONEの名前は変わらないで、主演が少年隊じゃなくても歴史は続いていく。一体何のために?


去年のPLAYZONEも今年のPLAYZONEも、舞台は「PLAYZONEの稽古場」でした。
PLAYZONEのチケットを持って劇場に来ているのに、「PLAYZONEの練習風景」を見せられる。このパラドックスに去年気がつかなかったのは、舞台の筋書きがあまりに破綻しすぎていたからです。
携帯天国でのダービー、「画素って何だ?」、男が謝る礼儀と書いてオ・シャ・レ、「弾を盛れ!」そして小さいジュニアが声変わり前の高い声を張り上げる「ジャニーズエンターテイメーーーン!!!」
脚本・演出のニッキは何を考えてるんだろう?楽しいけど、話の筋も意図もよくわからなくて、もうなんでもいっか、と思った舞台でした。


錦織さんが脚本・演出を手がけたPLAYZONE95'「KING & JOKER」に、このようなセリフがあります。

「人は誰でも人生が自分に配ったカードから逃げることはできない。だが一度カードを手にしたら、そのカードをどのように使ってゲームに勝つかは、それぞれが決める。」

筋書きのめちゃくちゃなPLAYZONE2009を見て、私はむしろ諦めがつきました。ニッキがPLAYZONEじゃないようなPLAYZONEを演出した。ニッキも受け入れてるんだ、しょうがないことなんだ。
そう思っていたのですが、今年のPLAYZONEを見て考えが変わりました。
PLAYZONE2009の演出を手がけて、いままでの「PLAYZONE」をとことん壊すようなPLAYZONEを披露することで少年隊の「PLAYZONE」を完全に終わらせたんだ。そうじゃなきゃ、ニッキの気がすまなかったんじゃないか。


錦織さんに配られたカードはなんだったんでしょう。
PLAYZONEの幕開け」?それとも「PLAYZONEの幕引き」?


今年のPLAYZONEは、優馬くんたち演じるスラムの少年が舞台「PLAYZONE」を見て、ショービジネスの世界に憧れ、「PLAYZONE」の本番に向かって努力する。というような話です。
優馬くんたちのオーディションや合宿など、練習風景のシーンが主で話は進んでいきます。
そこで優馬くんたち出演者が語る「PLAYZONE」への憧憬、少しだけある劇中劇「PLAYZONE」のダンスシーンの気合の入りように、私は思わず涙が出そうになりました。
少年隊が築き上げた「PLAYZONE」は伝説、偶像になって、語り継がれあがめられる対象になった、そういう風にしてくれた。
そのことが、嬉しくてたまらなかったのです。


PLAYZONE2010はあと2回行きます。
でも、もっともっと何回も行きたいです。
完成度の高いダンス、シンプルな筋書きに、響く「ROAD TO PLAYZONE」の歌。
PLAYZONE」の名を冠していながら、ROAD TO PLAYZONE、「PLAYZONEであってPLAYZONEではない」舞台のPLAYZONE2010、その出演者のダンスのレベルや気合、「PLAYZONE」への尊敬の念に、何度でも心からの拍手を贈りに行きたいです。



スターどうもありがとうございました。