飛魚

中島裕翔くんのファンです

透明な旅はもうやめた

JUMPの子が、ドラマやなんかの宣伝で、普段出ないような番組にお呼ばれしているのを見ると、ちんまりとしながらニコニコしていてつい頬がゆるみます。普段JUMPのなかで見えるキャラとはちょっと違う、緊張していたり「ゲストとしての態度」を意識していたりのよそゆきの顔が可愛らしいんですよね。


だからいつもは見えない顔が見えるのが面白いです。
知念くんがTV誌で自分のことを「隣に並ぶのが恥ずかしいくらい小さいので…」と言っているのを読んで、JUMPでいるときには恐らく言わないであろうこの言葉に驚いてしまいました。まさか全く思ってもいないことは言わないでしょうから、へえ、こういうこと思ったりするんだ!?と意外に感じたのです。
JUMPの子って内弁慶だなって思います。グループ内弁慶。バラエティ番組に1人でゲストに呼ばれたり、1人でロケをやる機会が少ないグループですし、同時にみんなでコンサートを何度も何度も、ずーっとやってきたグループですから、「Hey! Say! JUMPのメンバーといること」がお仕事の中心なんでしょう。


JUMPの好きなところはいくつもありますが、その中に「エリートの寄せ集めであること」があります。JUMPがデビューしたことによっていくつかのグループが解体して、悲しんだ人がたくさんいることを考えればあまりに配慮のない嗜好ではありますが、そういった痛みと一緒に結成され、各人何かしら抱えるものがあってのデビューという事実がなんともドラマ性があって、私は、面白いなって思ってしまいます。使命を抱えて、それぞれの星からひとつの宇宙船に乗り込んだみたいです。違う括りで活動していたJr.が、選抜されて同じひとつのグループになる。Jr.の頃のグループカラーを残したまま。


そして寄せ集めだった集団が、Hey! Say! JUMPという「ひとつ」になる。年明け1月2日から横浜アリーナでJUMPのコンサートがありました。私にはなんだかすごく楽しいコンサートでした。JUMPは大人になりましたね。ステージに立っているメンバーはみんな18歳以上、20時以降もお仕事が出来る年齢で、デビュー当時とは身長も体格も違っていて、なんだか、すごく成長したんだなあと思わされました。


JUMPを見始めてから今まで、変わったなあ、と感じるのは知念くんと光くんです。このダイアリの09年の光くんお誕生日エントリを見返すと、今の光くんにはあまり感じないようなことが書いてあって、光くんのこういう儚さや切なさを感じさせる陰気なセクシーさが大好きだったなあと思い出しました。留学に来ていた星からさらに選抜されて宇宙船に乗ることになって、責任の重い役割のかたわら、帰る場所、もともとの母星が気にかかる……どこにいても異邦人だ、そういう旅人の憂鬱さを抱えて、たった1人でいるように見えていたのでした。いま、光くんがたった1人には見えません。でもあの頃はそう見えていた。もう1人じゃなくなったんだと思います。光くんの帰る場所はHey! Say! JUMPという宇宙船になった。それは他のみんなもおんなじです。ルーツとしての出身星は変わらなくても、帰る場所、安心できる家はHey! Say! JUMPになった。


光くんの口から仙台の話を聞くのが好きです。仙台から通っていたときの、リュックにダンベルを2つセットで入れていたという話も好き。新幹線の中で牛タン弁当を食べていたとか。伊野尾くんに「仙台の味を教えてやる」と牛タン屋さんに連れて行ったり、Marching Jの発端も光くんが何か出来ないかとジャニーさんに電話をしたことからだそうですし、仙台で行われたコンサートではものすごくはしゃいでいたというレポを読んで、まあ本当に可愛らしい子だなあと温かい気持ちになりました。でも仙台の話を聞くたび、帰る場所がある光くんは「ここの人」ではないんだろうなと感じられ、それが少しさみしくもありました。


乗り込んだ宇宙船の操縦桿をJUMPは手に入れたのかもしれません。目的地の定まらない透明な旅をもうやめて、旅人は故郷というテントをたたんで抱きしめながら家でくつろぐ。JUMPはどんどん進んでいきます。外に出て行けば行くほどに、家に帰ったときの安心感が増してよりJUMPはひとつになる。
透明な旅はもうやめた。みんなで彩る絵の具が出来た。アジアツアーではどんな顔を見せてくれるのか、本当に楽しみです。




知念くんの話はまた今度。スターどうもありがとうございました。