飛魚

中島裕翔くんのファンです

映画「ピンクとグレー」感想

「ピンクとグレー」を見て、まぁ〜制作側の意図するところとは違うかもしれないけど、いろいろ努力しなくちゃって思いました。
いままでわたしは、裕翔くんの演技を通して裕翔くん本人を見たがっていたように思います。だから役だとしても悪くは捉えられなかったし、情けないところも可愛いなと見ていました。
だけど「ピンクとグレー」はそうじゃなかった。画面には裕翔くんの顔が写っているのに、動いているのは別の人でした。

以下、ネタバレありの感想です。

ところで蓮吾がベランダから風船を見るシーンの顔、最高に最高に美しくて息を呑みました。あのシーンは映画史に残る美しさ。アランデュカスみたいに、裕翔くんの名前の薔薇がいつか出来るだろうと思いました。どうしてあんなに綺麗だったんだろう?
わたしは渋谷がずっと昔から好きじゃないんですね。オール明け早朝の渋谷なんて、ゴミ箱の底を歩いているみたいだと思うくらいです。そういう渋谷の道を、サリーが、りばちゃんが歩く。誰かが手放して飛んでいった風船が風に流されていく。その風船を、マンションの高層階にいる蓮吾が見下ろす。サリーとりばちゃんが見上げる風船を、何を考えているのかわからないような綺麗な顔で。
裕翔くんはそこを「3人が繋がっている」って言ってたけど、わたしはもう蓮吾の意図するところじゃなくても2対1の構図が出来上がっていて、同じものを同じようには見られないんだっていう寂しさを感じました。この裕翔くんの解釈がね!またもう、裕翔くん好きーーっ!!って思うんですけどね!!

むかーし読んだときのおぼろげな記憶だと、原作では、ごっちのりばちゃんへの執着心が怖かった。自殺したのも、りばちゃんを有名にするためかと思ったくらいでした。
でも映画では、なんというか個人が個人として生きていくことの大事さというのが受け取れました。
ごっちは菅田くんが演じてるのも裕翔くんが演じてるのもずーっとださかった。努力せず、虚勢をはって、考えず、焦るのが遅い。「俺芸能界とか興味ないし」「俺だって努力してるわ」「俺はごっちとは違いますよ」。まだ何者でもないのに、何者でもないまま、白木蓮吾の親友として有名になってしまった。
事務所の社長が、「蓮吾はお前よりずーっと努力してたよ」ってりばちゃんに言うけど、蓮吾はたまたま好きだったからじゃないの?ギターを弾いたり作曲したり、演技するのが好きなだけで、努力するのが好きなわけじゃないように見えます。ごっちがださかったのも、努力しないからじゃなくて、自分の道を行かなかったから。蓮吾にひきずられていたから、かっこ悪くみえました。
「自分は自分だってことに気がつけば、希望はすぐそこにあるよ」っていう映画なのかなぁ。

遺書が6通あったら、全部読みたくなっちゃうけどな。
白木蓮の吾なんて綺麗な名前だな。

もう一度見たらまた違う感想が浮かんでくるかもしれないので、その前に書いておこうと思って書きました。大きいスクリーンで裕翔くんの顔が見られるってなんて幸せなんだろう。